1/23 ギターを始めたきっかけ

ギターを弾き出したのは確か中学一年生のとき、父親の(もはや弾いていない)アコースティックギターのケースを開けたのがはじまり。

小学校までブラスバンドでトランペットを吹いていたこともあり、ギターのローフレットでドレミファソラシドの位置を覚えて、ブラスバンドで吹いていた旋律をなぞることから始めた。「自分が弾ける(吹ける)楽器の旋律を他の楽器に転写できる」という体験が当時はすごく新鮮だったのをよく覚えている。

 

その当時は家にアップライトピアノがあったが同じような体験は得られなかった。指一本で鍵盤を押せば発音できることに興味を掻き立てられなかったのだ。(今はなぜピアノを触らなかったのか後悔している)

ロクに手入れもされておらず弦高の高いギター弦を左指で押さえ、右手で振動させる。左手の押弦の位置と強さ、右手の発音タイミング。どこか一つでも狂うとマトモな音が鳴らない。振動を全て自分でコントロールできることに対する難しさと楽しさを感じた。

 

しばらくしてギターが和音も鳴らす(こともできる)楽器であると気づいた。町に1軒だけある書店に行き、ギターの教則本を買った。1995年くらい。コードストローク、親指+3指のコンピング、スリーフィンガー、アルペジオみたいな内容だったと思う。

取り上げられている曲は、聞いたことのないような昔の曲ばかり。当時はYouTubeどころかインターネットどころもない。どんな曲か調べる手段もなかった。町に1軒だけある本屋にただ一つあった教則本。とにかく自分が持っているギターに関する情報はそれだけ。夢中で読んで弾いた。

 

最初の教材は小柳ルミ子の「私の城下町」。これを見ている方々はおそらく聴いたことがないだろう(オレだって聴いたことがなかった)。出だしはAマイナー。人間は最初に覚えたコードを親だと思う習性があると思う。自分はCでもGでもなくAm。そう、マイナーコード。次にDm、E7。完全なる演歌のコード進行で湿っぽいギターを弾くのは約束されたようなものだった。

でもメリットもあった気がする。Fコードが出てくるのがだいぶ後だったのだ(Key in Amの場合はDmで代用される気がする)。そのため、いわゆるFの壁に当たる前に押さえ方を試行錯誤できていた。もちろんFコードに苦労した記憶はあるが、指の付け根だけ気をつけて押さえれば良いことに気づいた。

 

当時はCD全盛期でヒット曲が飛ぶように売れていた時代。その本をマスターした後は歌本(ヒット曲の歌詞とコード進行が載ってるジャンプくらいある分厚い雑誌)を買って弾いていた。スピッツとかイエモンTHE YELLOW MONKEY)とかそういう類だったと思う。